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九州および琉球列島産無尾類寄生トリパノゾーマについて(付: 6新種の記載)


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タイトル: 九州および琉球列島産無尾類寄生トリパノゾーマについて(付: 6新種の記載)
その他のタイトル: Anuran Trypanosomes in Kyushu and Ryukyu Islands, with Descriptions of Six New Species
著者: 宮田, 彬
著者(別表記) : Miyata, Akira
発行日: 1978年 3月30日
出版者: 長崎大学熱帯医学研究所 / Institute of Tropical Medicine, Nagasaki University
引用: 熱帯医学 Tropical medicine 20(1). p51-80, 1978
抄録: カエルのトリパノゾーマは生物学および医学の分野で最も手近かな材料として広く実験に供せられ,特にトリパノゾーマ類の栄養要求性の研究や培地の改善の研究に使われている.しかし広く用いられている割合には分類学的な混乱が解決されていないようで,例えばある実験に用いられたトリパノゾーマが果して何という種であったか確定できないことが多い.これは世界中のカエルに唯1種あるいは2~3種のトリパノゾーマが寄生しているだけであるという固定観念が強く信仰されてきたことが原因であろう.しかし実際には既知カエル・トリパノゾーマは40種近く知られており,しかもまだ相当の種類が追加されそうな形勢である.カエルのトリパノゾーマはわれわれの身近の手軽な材料ではあるが,以上のような分類学上の問題を十分知っておかないと何を研究したのかわからなくなる.日本のカエルのトリパノゾーマについては,小泉丹博士らによる研究があるが,それらはきわめて簡単である.そこでこの論文では,九州および琉球列島で入手したカエル類の血液塗抹標本により,純形態学的に分類し,結局それらのトリパノゾーマが14型にわけられることを確認し詳しく図説した.14型のうちTrypanosoma rotatorium, Trypanosoma loricatum, Trypanosoma chattoniの3種は分布の広い既知種である.また出現頻度が高くしかも純形態学的に区別が明瞭な次の6種は新種として命名した.1.Trypanosoma nagasakiense n. sp.諌早市の山口明技官宅で捕えられたアマガエルより発見された卵形の美しい種.2.Trypanosoma ishigakiense n. sp.石垣島産のヌマガエルより発見された種で,近縁種はアフリカで発見されている.3.Trypanosoma miyagii n. sp.沖繩本島産のナミエガエル,ホルストガエル,ハナサキガエル,イシカワガエル,および奄美大島産のオットンガエルより発見された雄大な形の種で,学名は共同研究者である畏友宮城一郎教授(琉球大学)にちなむ.4.Trypanosoma tsukamotoi n. sp.沖繩本島産のナミエガエルより発見された蛇のように細長い種で,系統的には魚類のトリパノゾーマに近い.学名はこの仕事の共同研究者でありまた良き師でもある塚本増久博士にちなむ.5.Trypanosoma rugosae n. sp.長崎近郊のツチガエルのオタマジャクシの体液中に発見されるトリパノゾーマでウナギのような感じの種である.学名は宿主の学名に由来する.6.Trypanosoma tsunezomiyatai n. sp.長崎市のツチガエル,石垣島および沖繩本島のヌマガエルより発見された波動膜を欠くまるいトリパノゾーマである.本種はもともとヨーロッパの研究者により何度か図示されているが,独立種として命名した学者はないので,長崎産ツチガエルを模式宿主として新しく命名した.本種とTrypanosoma chattoniとを含む新属をつくる必要があるが,今回発見された新種の生活史を確認した上で処置したい.学名は筆者の父宮田常蔵の喜寿を記念して命名した.その他現時点では分類上の位置を決定できない5型についてはそれぞれ種A~Eとして図示した.これらのうちいくつかは将来材料を得て命名することがあると思う.なお以上のトリパノゾーマは1匹のカエルに多い例では4種も寄生しており,2~3種のトリパノゾーマが寄生している例は決して稀れではない.またパラサイテミアが低く,1枚の標本に1~2虫体がみつかる程度のことも多いので,カエル・トリパノゾーマを実験に供する際には数枚の血液標本を用意し,それぞれ全視野を検し,出現するトリパノゾーマの種を確認する必要がある. / Ten species of frog captured in Kyushu and Ryukyu Islands were examined to find out haemoparasite, and from them, nine distinct species including six new species and five other types of anuran trypanosome were detected as listed below. 1) Trypanosoma nagasakiense n. sp. (Hyla arborea japonica in Nagasaki.) 2) Trypanosoma rotatorium (Mayer, 1843) (Rana rugosa and Rana nigromaculata in Nagasaki. Rhacophorus japonicus in Okinawa Island.) 3) Trypanosoma loricatum (Mayer, 1843) (Rana narina and Rana holsti in Okinawa Island. Rana nigromaculata in Nagasaki.) 4) Trypanosoma ishigakiense n. sp. (Rana limnocharis limnocharis in Ishigaki Island.) 5) Trypanosoma miyagii n. sp. (Rana namiyei, Rana narina, Rana holsti, and Rana ishikawae in Okinawa Island. Rana subaspera in Amami Island.) 6) Trypanosoma tsukamotoi n. sp. (Rana namiyei in Okinawa Island.) 7) Trypanosoma rugosae n. sp. (tadopole of Rana rugosa in Nagasaki.) 8) Trypanosoma chattoni Mathis and Leger, 1911 (Rana holsti and Rana narina in Okinawa Island. Rana rugosa in Nagasaki.) 9) Trypanosoma tsunezomiyatai n. sp. (Rana rugosa in Nagasaki. Rana limnocharis limnocharis in lshigaki Island.). In addition to them, five more types of trypanosome were detected, which are apparently different morphologically from above species, however the types are not yet determined whether they are new species respectively or only varieties of known species.
URI: http://hdl.handle.net/10069/4235
ISSN: 03855643
資料タイプ: Departmental Bulletin Paper
出現コレクション:第20巻 第1号

引用URI : http://hdl.handle.net/10069/4235

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