DSpace university logo mark
詳細検索
Japanese | English 

NAOSITE : Nagasaki University's Academic Output SITE > 090 生産科学研究科 > 090 学位論文 > 090 学位論文 >

大村湾における流動特性と水質予測に関する研究


ファイル 記述 サイズフォーマット
kk_115_t.pdf33.14 MBAdobe PDF本文ファイル

タイトル: 大村湾における流動特性と水質予測に関する研究
その他のタイトル: Study on the Flow Characteristics and Water Quality Estimation in Omura Bay
著者: 福本, 正
著者(別表記) : Hukumoto, Tadashi
発行日: 1997年 3月31日
引用: (1997-03-31)
抄録: 本論文は,大村湾における潮流・水質の現地観測と密度変化を考慮した三次元数値解析により,大村湾内の流況および残差流といった流動特性の季節変化を明らかにするとともに,水温成層の発達・破壊過程を把握し,それに伴う底層での貧酸素水塊の挙動を解明することを目的としたものである。得られた成果が,今後,大村湾における海洋環境の保全プログラムを策定し,実施していく上での一助となれば幸いである。まず,潮位・潮流を対象とした15昼夜の多点同時連続観測の結果より,湾奥の潮位は湾口のそれに対して約10分の遅れ時間を有するとともに,前者の振幅は後者の約1.016倍となっていることが明らかとなった。また,潮位は気圧の長周期変動に対して,潮流は風の短周期変動に対してそれぞれ敏感に反応する。特に,風向・風速が安定している場合,吹送流は潮汐残差流と同程度の強さとなることが確認された。さらに,冬期と夏期では水温成層の発達に伴い,表層と底層の流況が異なることも明らかとなった。すなわち,夏期の底層における潮流楕円は,冬期あるいは夏期表層のそれに比べて長軸が左傾することも明らかとなった.これに伴い,大村湾北部の残差流は,冬期にはほぼ鉛直一様に反時計廻りの循環流を形成するものの,夏期には表層で流出傾向,底層で流入傾向となり,中間層に冬期と同様な反時計廻りの循環流が存在することが分かった。一方,湾口付近での超音波ドップラー流速計(ADCP)を用いた流況観測の結果からは,湾口付近の流況が非常に複雑であり,表層と底層あるいは西岸と東岸で異なった流動特性を有していることが認められた。特に,針尾瀬戸(湾口)から流入する外海水は,底層から上昇しながら宮浦側へと侵入し,水深および地形変化とともに浅曽根を中心とした反時計廻りの流れを形成することも明らかとなった。したがって,大村湾内の流況は,針尾瀬戸から大崎半島と宮浦を結ぶ断面(第2湾口)までの海域と,それ以奥の海域では流動特性が大きく異なっている結論を得た。水温・塩分およびDOを中心とした水質観測の結果に基づけば,大村湾の密度成層は降雨量の増加する時期を除き,水温成層の分布と類似することが確認された.さらに,水温成層の発達とともに底層のDOは貧酸素化するものの,水温成層の破壊後も貧酸素水塊は存在することも分かった。この貧酸素水塊が発生し易い大村湾の西部海域においては,周囲より低水温となる第2躍層が存在し,この第2躍層の形成と貧酸素水塊の出現は連動しているものと考えられる。また,湾口付近で混合された外海水が,第2湾口の中間層から舌状となって大村湾西部海域へ侵入するため,上述したような水温の第2躍層が形成されるものと推察された.次に,夏期における水温成層の挙動と,それに伴う流況の変化を精度良く再現し得る三次元数値モデルの開発を行った。支配方程式は,連続式,運動方程式,水温・塩分拡散方程式および密度の状態方程式である。数値モデルの検証計算の結果,時間差分にAdams-Bashforth法,空間差分にstaggered scheme,移流項の差分にはDoner-Cell法,拡散項には中央差分を導入したモデルが最も有効であることが確認された。この数値モデルは,大村湾で実施された潮流および水温等の観測結果を定性的に良く再現するとともに,定量的にも妥当な値を示している。特に,潮汐残差流が形成する循環流および潮流楕円の左傾現象などについては,計算結果は観測結果を精度良く再現していた。これらによって,開発された数値モデルの妥当性,有効性が確認された。大村湾の水温成層は,台風などの気象擾乱によって破壊される。しかしながら,水温成層の破壊後も底層には貧酸素水塊が存在している。したがって,この貧酸素水塊を消滅させるためには,海水の混合を促進させる外的要因が更に必要となる。そこで,開発した数値モデルを用いて,風が作用した場合の水温成層の破壊過程に関する数値解析を行い,水温成層の破壊と鉛直混合との関係について考察を加えた。その結果,日射量そのものが減少することを除けば,安定した風の長時間の連吹あるいは台風などによって,水温成層は破壊されることが明らかとなった。また,大村湾西部海域の底層における貧酸素水塊は,潮流流速と何らかの因果関係を有しており,これによって貧酸素水塊の形成およびその分布の拡大といった現象が生じている・このことを明らかにするために,流速絶対値の平均量〓を定義し,数値解析によってその水平分布を求めた。その結果,底層の〓が2.0~4.0cm/s となる海域は,観測による底層貧酸素水塊の水平分布と良く一致することが明らかとなった。供給と消費のアンバランスによってDOの貧酸素化現象が生じるとの仮説を設ければ,貧酸素水塊の形成機構は,この〓の分布と何らかの相関があるものと考えられる。
記述: 長崎大学学位論文 学位記番号:博(海)甲第115号 学位授与年月日:平成9年3月31日
URI: http://hdl.handle.net/10069/7275
資料タイプ: Thesis or Dissertation
出現コレクション:090 学位論文

引用URI : http://hdl.handle.net/10069/7275

このリポジトリに保管されている文献はすべて著作権により保護されています。
印刷やダウンロード等データの複製は、調査研究・教育または学習を目的とする場合に限定されます。

 

Valid XHTML 1.0! Copyright © 2006-2015 長崎大学附属図書館 - お問い合わせ Powerd by DSpace